マンションの自宅玄関などに取りつけられているドアスコープ。
室内からドアの外をチェックするための防犯アイテムだが、逆にその窓を使い、外から部屋の中を覗き見るための道具が存在する。
「リバースドアスコープ」と呼ばれる商品だ。
使い方は実に単純で、ドアスコープの外側から、リバースドアスコープを一直線上に並ぶように当て、室内を覗き込むだけ。約10度の画角で視界が広がるらしい。
説明書きには、「帰宅して、家に入る前に室内の異常や不審者の確認に使用します。警察が立てこもり犯逮捕の踏み込みの際、室内の動向を観察するために使用します。」
などと、あくまで防犯としての役割が強調されている。
が、本当の目的は他にあるのでは?
現在、仕事でリバースドアスコープを利用しているという某探偵業者は言う。
「この道具を使う人たちの主な目的は、空き巣やノゾキだと思いますよ」
確かに空き巣なら、住人の不在確認にもってこいだろう。盗撮マニアなら、風呂上りの着替えぐらいは覗けるかもしれない。果たして、このリバースドアスコープ、どの程度使えるのか?
他人の部屋を勝手に覗くわけにはいかないので、ドアスコープつきのワンルームマンションに住む知人の協力を得て実験してみた。
まずは何も付けずにドアスコープの外側から覗いてみると、レンズ中央の1ミリ程度の穴から、室内の光が漏れているのがわかった。これだけでも中で何かが動いているぐらいの判断は可能だろう。
玄関のドアを開けた状態で、ビデオカメラで撮影したのがこれ「A」。
奥に座るモデルまでの距離は約4メートル。カメラのズームは使っていない。
次に、リバースドアスコープを覗き窓に当て、中の様子を同じビデオで撮影「B」。ご覧の通り、見える範囲が狭すぎる。これじゃ覗いても意味がなかろう。今度はビデオカメラをズームして、さらにモデルに室内を自由に動いてもらった。こちらはスコープの範囲内にターゲットがうまくはまれば、顔の表情までわかる。
住人の不在を確かめたいだけなら、十分に役割を果たしそうだ。
もしもあなたが、防犯のためにドアスコープを付けているなら、覗き窓に内蓋を取り付けるか、いっそのこと取り外してしまった方が安全かもしれない。